花たち

 日記的な感じでブログを書こうと思っていたけど何となく過去の回想が増えた。それは現在がエリアーデのいうところの「祖型と反復」に沿った生活を送っているからだと思う。いや正確に言えば農耕と信仰の時代のような永遠回帰の様式を辿ることはできないはずで、会社では毎日新しい仕事が舞い降り、社会をめぐる状況は目まぐるしく変わるが、私はそういった前向きに流れる時間を受け流しながら同じところにとどまっている。体悪く言ってしまえば過去の甘美な思い出に縋る堂々巡りにすぎないのかもしれない。成長がないともいえる。

 ここ一、二年の変化といえば、花を買って生けるようになったことがある。自己流なので不恰好なこともあるけれど、自己満足の趣味としては自分の性格によく適した行為だと思う。一年近く花屋に足繁く通ってみてどの季節にどんな花が出回るのかがよくわかってきた。今の時期はやっぱりダリアとケイトウが多くなる。どちらも人気なので年中見かけることはあるけど、やっぱり今は旬だ。ダリアは生けると気難しくて、水が多すぎるとすぐに萎れてしまう。うまく水加減を調節してもあまり長くは楽しめない儚い花だ。

 花を生けるのが習慣づいてからは野辺の花街角の花もよく観察するようになった。何となくこの花はこういう名前で、だいたいどの季節に咲くみたいなのがわかってちょっと楽しい。今さっきカメラロールを見返していたら昨年は9月末に街路樹の金木犀を枝ごと奪ってしばらく部屋に飾っていたらしい。もうそんな季節なんだなー。

写真はこちらも昨年のものだが11月の花たち。お気に入り。昨年は11月に京都に行って、アンティークの徳利をいくつか買って花器代わりに使っている。まだ少し夏の暑さの名残はあるけれど、台風もすぎると秋独特のあの涼しさが戻ってくるだろう。

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