良心的

国立科学博物館附属自然教育園JR東日本目黒駅東口を降りて10分程歩いた場所に位置する。まだ4月だというのに日中の最高気温が30度に差し掛かったこの日は薄手のジャケットが暑苦しく感じるくらいの陽気であった。アトレのスターバックスで手にしたアイスコーヒーの氷も自然教育園にたどり着くまでにはすっかり溶けきってしまった。300円の入場料と引き換えにピンク色のリボンを身につけると、眼前にひと月前とはまるで別世界の鮮やかな緑の園が広がっている。実はここにはおよそひと月前にも訪れているのだが、その頃はまだ草花も芽吹き始めといった段階で、花々もカタクリハナニラのような小ぶりのものが点々としている程度で、化石の時代の地層のごとく草木の乾いた骸が累々と重なるだけであった。それがどうしたことか、今では鬱蒼とした緑がそこら中に生い茂っている。生命の熱量はまさに息吹とたとえるべき躍動を感じさせる。この時期の盛りは金蘭に丁子草、著莪は終わりかけでアヤメが咲きはじめといったところだろう。この後も紫陽花や夏の花々が見られると思うとまた訪れたくて仕方がない。

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