夢の島

東京湾埋立14号地の一角、湾岸線を挟んで新木場の北を占めるのが江東区夢の島である。高度成長期にはごみの埋め立てが続き、夢の島は蝿の島と同義であった。今や整備も落ち着いて久しく、競技場やだだっ広い公園の広がるひっそりとした空間がそこにある。それでも夢の島と言うには何とも物足りない景色である(電車で10分もしない場所にある「夢の国」の方がまだつきづきしいのではないか)。そんなことをぶつくさ考えながら駅から十数分歩くと、そこなる夢の島熱帯植物園に辿り着く。大宇根弘司設計のガラスのアーチが真夏の青空によく映える。といってもこの日は中東ドバイと肩を並べるような暴力的な暑さに見舞われていたので、そんな爽やかな感想をひねる余裕もなく館内に入る。

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温室は大きく三室の構成になっており、それぞれガラス製のドームで覆われた特徴的な建築である。熱川で訪れたバナナワニ園の温室と比べれば少し手狭だが、それでも十分に楽しめると思う。温室内は外気と大して変わらない暑さで、本州はもはや亜熱帯から熱帯に昇格したほうがよいかもしれない。

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暑さで頭がやられているのか、仕事のストレスがたまっているのかわからない(おそらくそのどちらもだろう)が、最近正常な思考というものができていない気がする。そもそも正常な思考ができていないと考えること自体があまり正常ではない。事あるごとに思うことだが、本を読んだりものを書いたりする時間を少しずつ増やしていけたらよい。大切なものを大切と思うこころを大切にしたい。

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