まゆみ

2月23日

朝から表参道。Café Kitsune でカフェラテをピックアップして根津美術館へ。「香合百花繚乱」展を観る。手の込んだスモールウェアはいずれも可愛らしく好みである。漆、蒔絵、青磁、染付など素材技法は色々でそれぞれに趣が感じられる。見終わった後に庭園を散歩してみた。ちょっとした紅梅以外に花の色気は無いけれど、ところどころに花芽を見つけることができて春の訪れを感じる。

表参道をウインドーショッピングがてら歩きつつ青山通り方面に向かう。せっかく香合を見たので松栄堂に立ち寄る。松栄堂は京都が本店で大学時代姉の家に遊びに行ったときに見つけて以来気に入っている店。好きな香り「花散里」を買う。

土曜日なので国連大学前のファーマーズマーケットとアンティークマーケットがやっている。春を通り越して夏の蠱惑的な香りをそこらに漂わせるパッションフルーツに惹かれる。ジャム用に5つ購入したら1個おまけ。作ったジャムを翌日パンに塗って食べたがとても美味しかった。またやろう。

宮益坂から渋谷へ抜けて代官山を通って中目黒へ向かう。道中今年初めての沈丁花を見つけてテンションが上がる。目黒川で裸の桜並木を眺めながら春爛漫を夢想。COW BOOKSで料理関係の古書をいくつか買って帰る。夕飯にガーリックトーストとアンガス牛のステーキを食べて寝る。

 

3月4日

もうすぐ29歳を迎えるらしい。素数であること以外特に感慨のない歳だ。28もそうだった。だからといって日々無感動に生きているというわけでもない。心に栄養を与える生き方をしたい。

昼頃に下北沢で髪を切った。駅は来たる複々線化に向けて大きく様変わりしている。だいたいひと月間隔で訪れているので変化がよくわかる。気になっていた欧州ミリタリー系の古着屋に寄ってみたが評判通りすごく良い。この日は物色するだけ。

ふと思い立って帰りの井の頭線駒場東大前で途中下車する。学生時代は訪れたことのなかった日本民藝館へ。「棟方志功柳宗悦」展を観る。素朴さと力強さのある木版、宗教画(仏画)が多い。宗教画ということについて久しく思い巡らすことがなかったのでまた少し考えたいと思う。ミュージアムショップで売っていた器に心を奪われたので散財。帰りにスーパーで買ったふきでふき味噌を作って食べてみると美味しい。子どものころは近所にいくらでも生えていたのにあくの強い味が苦手だった。皆そんなものだろうがもったいない気分になる。夕食後手持ち無沙汰になったので夜を延長しに少し散歩する。駅のペデストリアンデッキに寄りかかりながら3月4日付のブログを書く。

 

3月11日

思い返すことに意味はないが死を想う意味くらいはあっても良いだろう。なんせ人間だからな。

午前中に荷物を受け取ってあてもなく電車に乗る。思い立って目黒で降りてみた。目黒をちゃんと歩くのも何年かぶりだ。初めて自然教育園を訪れたがとても良い。まだ緑は少ないけれど充分に楽しめる。変化を楽しむために頻繁に訪れたいとも思う。カタクリの花を見たのは初めてかもしれない。

午後、待ちわびた「シェイプ・オブ・ウォーター」を観る。期待を二重も三重も上回る作品で脳みそがとろける思いがした。またすぐにでも映画館で観たいと思う。

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