東京駅

上京したての頃、そこに今のように立派な赤れんがの駅庁舎は見えなかった。鹿島による庁舎の保存・復原工事が始まったのは入学とちょうど同時期。そこから約5年を経て庁舎が完成し、更に5年後の2017年に駅前広場も整備される。丸の内側だけではない。八重洲側では2013年に現代的な大屋根が特徴的なグランルーフが完成。今では丸の内側も八重洲側も美しく整備されていて、まさに東京の玄関口にふさわしい表情を見せる。夕方に新丸ビルのテラスから眺める丸の内側タクシープールに溜まるタクシーたちのライトが美しく煌いて見えるのが特に好きだ。東京駅の変化にも見えるように、ここ十年で東京はめまぐるしく変わり続けている。それは必ずしも良い方向性ばかりの変化ではないはずだが、けれども変化は否応なく万人を呑み込んでいく。

最近は気が向いたら東京駅周辺を散歩していることが多い。ドラスティックな変化ばかりでなく、細部に目を向ければ小さな変化も沢山目にする。季節の変化もそう。今はヤマボウシの盛りでそこここの並木に白い花を見つけることができる。意外にも東京駅周辺は緑が多い。丸の内から日比谷通りを越えればもう皇居だし、その手前にも並木や植栽が広がっている。八重洲も春になれば桜で飲み屋街が賑わう。都心にいながら緑を感じられるのはかなり嬉しいことだと思う。

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