七草粥

年末から正月にかけていつものように帰省した。こたつで寝ているか犬の散歩をするだけで勝手に飯が用意されて勝手に洗濯が仕上がっているいつもの流れは変わらない、ように見える。ただし年を経るごとに家族の老いと死がそろりそろりと家を包み込んでいくような感覚はある。あらゆるものは常に等価のように見えて実は時間とともに絶え間なく変化している。しかたなく万物は流転する。それはそれで受け入れていくしかないだろう。すり減りなくなっていくものもあれば新たに生まれるものもあるのだし、ものごとはできるだけポジティブに捉えていくことにしよう。

帰省して最初の週末には葉山の海を訪れた。逗子駅から県立近代美術館の葉山館に向けたバスに乗って適当なところで降車する。そこから浜づたいに駅方面へひたすら歩く。相模湾ごしに富士山がくっきりと見えて縁起のよい感じがする。葉山の海は心なしか江ノ島や伊東の海よりも透き通って見える。また海岸線も岩がちで、石灰質の露頭がところどころに現れる面白い地形だ。しばらく歩いていると森戸神社につきあたる。折角なので初詣。ここまで来ると浜辺にも人の影が多くなる。新年から天気も良く比較的暖かくて、ヨットに乗る人はきっと気持ちが良さそうだ。

 

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節句の朝には七草粥を作って食べた。実家ではこの習慣はなかったのでなんだかんだ初めての食体験である。土の味がする粥といった感じで大して美味しくはない。できるだけシンプルな味付けの方がよいだろう。まぁ美味しかったら正月七日に限らず食べる人もいるだろうから、皆そういうものとして食べているんじゃないかな。1月も結局風邪を引いてしまったが、今年も1年それなりに元気で暮らせればと思う。

今年の抱負というのは特にないのだが、できれば少し遠くに遊びに行きたいと思っている。たとえばモロッコ。たとえばもう一度ニューヨーク。ルアンパバーンからスロウボートに乗る旅もまた良さそうだ。